静岡県熱海市の大規模土石流で、崩落起点に造成された盛り土の下に、過去2回の地滑りの跡があったと、調査した深田地質研究所(東京)と静岡大などのチームが15日発表した。この地滑り跡が地下水の通り道となっており、大規模な崩落につながったと推定されるという。
静岡市内で記者会見した北村晃寿・静岡大教授(地質学)は「盛り土を造成する際には、現場の地質も把握する必要がある」と話した。
チームによると、ボーリング調査や放射性炭素年代測定などの結果から、盛り土の下には、北西の岩戸山から流れ出た土砂が堆積。約8千年前と700~800年前の計2回の局所的な堆積物の地滑りの痕跡があり、地下水の通り道となっていた。
発生原因を検証する県の委員会は6月、盛り土の下部に地下水が流れ込み、土が軟化して崩落したとの解析結果を発表していた。