写真紀行・瀬戸内家族

十代の夏は魔法の時間

産経ニュース

七月に入り今年も夏休みの予定を考えている。少し気がかりなのは、長男、長女の大学と高校の受験が来春控えていることだ。「夏を制する者が受験を制する」。どうやら世間にはそんな言葉が流布しているらしい。

基本的には子供らの判断に任せようと思うが、親の方は家族揃って島に帰省する気満々でいる。コロナ禍から解放されて学校行事もやっと再開されてきたというのに、すぐに勉強漬けではちょっと可哀想(かわいそう)だ。いや、可哀想というよりも、ここは夏の光を身体いっぱいに浴びて、外出制限でなまった五感を蘇生(そせい)させてやる方が重要ではないだろうか。

十代の夏とは不思議なもので、具体的な出来事などとうに忘れているのに、わくわくひりひりしたあの感覚は今も身体に刷り込まれている。きっと風の匂いも眩(まばゆ)い光もよほどみずみずしく感じられていたのだろう。それが外界に対する好奇心を大きく育んでくれたのは間違いない。あの魔法のような夏の時間が、原風景として自分の人生にこれほど豊かな影響を及ぼそうとは当時想像できただろうか。

「夏を楽しむ者が人生を楽しむ」。前述の言葉に倣っていえば、子供らに贈りたいのはそんな言葉だ。

小池英文(こいけ・ひでふみ)写真家。東京生まれ。米国高校卒後、インドや瀬戸内等の作品を発表。広島・因島を中心に撮影した写真集「瀬戸内家族」(冬青社)を出版。ウェブサイト「http://www.koike.asia/」

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