参院選の演説中に銃撃され死去した安倍晋三元首相について、14日の定例会見で山本一太知事は、「日本にとっても世界にとっても大きな損失だ。偉大なリーダーだった」と振り返るとともに、「安倍元首相は(自身にとって)あらゆる政局で常に一緒に戦ってきた特別な存在だった」と、追悼の言葉を語った。
知事は10日に都内の安倍元首相宅を弔問し、対面を果たした。知事は「安倍元首相は穏やかな表情だった」と話し、その際に知事の仕事に全力を挙げるとの決意を耳元で伝えたと明かした。
山本知事は第2次安倍政権で沖縄北方担当相を務め、安倍元首相を支持する姿勢から「安倍応援団」の一人とされた。知事は「就任後も群馬を応援していただき感謝しかない。恩義に報いるため全力を尽くす」と語った。
安倍元首相は憲政史上最長の通算約8年8カ月にわたる長期政権を築いた。この間の最大の業績について、知事は集団的自衛権の限定的行使を認める安全保障関連法や経済政策「アベノミクス」を挙げ、「歴史に評価されるだろう」と指摘した。
人柄については「クールな戦略家という面と、熱で人を引っ張っていく両方の側面を持った稀有(けう)な政治家だった」と振り返った。
一方、岸田文雄首相に今後期待することとして「元首相の遺志を継いで自民党の党是である憲法改正の議論をしっかり丁寧に進めてもらいたい」と語った。