京都・祇園祭の山鉾(やまほこ)巡行に参加する菊水鉾を巡り、笛などを奏でる囃子(はやし)方の運営方法に意見したことで会員資格を剥奪されたのは会則に定めがなく不当だとして、男性4人が12日、菊水鉾囃子方菊童会と菊水鉾保存会に処分の無効確認と慰謝料など計520万円を求める訴えを、京都地裁に起こした。
訴状などによると、4人は菊童会に所属していた昨年10月、役員選出過程が不透明だとして、他の会員約40人に賛否を問う文書を送付。同年12月、会側から「会員にふさわしくない」との理由で4人の除名を書面で通告されたとしている。
鉾の運営団体で菊童会を傘下に持つ菊水鉾保存会は取材に対し「巡行準備で忙しいので対応できない」と答えた。
12日、京都市内で会見した原告の一人、京都市伏見区の大津元さん(75)は「菊童会では、年功序列で上位の仲良しグループが密室で囃子方の参加者を決めている。譲る気持ちがなく、若い人たちがやめていく」と主張した。
山鉾を運営する各保存会は、各町内の有志らで構成されている。