東京・芝公園で12日に営まれた安倍晋三元首相の葬儀では、第2次安倍政権で副総理兼財務相として安倍氏を支えるなど、盟友関係にあった自民党の麻生太郎副総裁が弔辞を述べた。参列者らによると、麻生氏は早すぎる死を悼み、昭恵夫人は安倍氏への感謝の言葉を述べた。
「言葉がない、かける言葉がない。外交について、持ち前のセンスと一線を譲らない胆力で、国際社会での日本の存在を高めた戦後、最も優れた政治家だ」
麻生氏は遺影を前に安倍氏の業績をたたえた。
そして「天国で(安倍氏の父)晋太郎元外相に、胸を張ってやってきたことを報告すればよい。(祖父の)岸信介元首相も入って政治談議をすることでしょう。そのうち私もそちらにいくから、また楽しく話しましょう」と語りかけた。
喪主を務めた昭恵夫人は参列者へのあいさつで「まだ夢を見ているようだ。いつも私のことを守ってくれた」と切々と語った。
参列者が棺に花を手向けた後、昭恵夫人は安倍氏の顔に数分間頰ずりをし、別れを惜しんでいたという。