10日に投開票された参院選大阪選挙区(改選数4)で、日本維新の会では、高木佳保里氏(49)と浅田均氏(71)の2人が当選を果たした。全国的な党勢拡大を目指し、党幹部が選挙期間の大半を大阪府外で活動した維新だが、母体の地域政党「大阪維新の会」所属の地方議員らによる組織力を強みに、大阪選挙区で2議席を維持し、地力を見せつけた。
午後8時の投票終了と同時にいずれも現職の高木佳保里、浅田均両氏の当選確実が伝えられた。
「経済が低迷する中、その対策として現役世代、子育て世代を支えることが日本経済を強くする」。堺市西区の後援会事務所で高木氏は決意を新たにした。
選挙戦では、初当選した6年前から公約に掲げてきた教育無償化など、2児の母という立場から教育や子育て政策の充実を訴えてきた。力を注いだのは、インターネット戦略。写真共有アプリ「インスタグラム」で政策や思いをわかりやすく発信するなどのアピールが功を奏し、無党派層にも支持を広げた。
一方、大阪維新の立ち上げメンバーでもある浅田氏は、古巣の府議団を中心にした選挙戦を展開。中盤には浅田氏単独のポスターから、知名度の高い維新副代表の吉村洋文知事と並ぶポスターに張り替えるなどし、支持拡大を図った。
さらに、街頭演説では大阪維新の行財政や教育改革などの実績を強調。ロシアのウクライナ侵攻による原料価格高騰対策として、消費税減税や保険料の一時免除などを訴えた。
当選確実を決めた浅田氏は大阪市城東区の選挙事務所で、「公正な日本の社会、持続可能な社会保障の仕組みをつくって、みなさんが安心して明るく楽しく働いていただける国にしたい。まずは大阪からそういう地域を実現する」と力強く抱負を語った。