新型コロナウイルス対策ガイドライン違反による6場所出場停止処分が明けた大相撲の元大関朝乃山が名古屋場所(10日初日、ドルフィンズアリーナ)から土俵に復帰する。最初の取組は11日の2日目。かつて横綱候補と期待されていた28歳は、西三段目22枚目から出直しを図る。
朝乃山は昨年1~5月、外出禁止期間に計10回キャバクラに通うなどしたうえ、日本相撲協会の調査に虚偽の内容を報告。協会は、大関として著しく自覚を欠いた言動だとして、本場所で1年間、相撲を取らせない厳罰を下した。
場所に出られなければ番付は落ちる。三段目は十両の下である幕下のさらに下。朝乃山は給与がなくなり、所属する高砂部屋で掃除をはじめ番付に応じた雑務もこなしてきたという。師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)は、この間の弟子の様子について「(処分決定から)半年以上は気持ちが上がりづらかったけど、去年の9月場所後から体も大きく戻ってきて、気持ちも落ち着いて、自分で受け入れている感じではある」と語る。
処分中だった昨年8月に父の靖さんが亡くなった朝乃山。今場所、しこ名の下の名を「英樹」から本名の「広暉」に変えた。ここまで本人は報道陣の取材に応じていないが、相当な決意で再起の道を歩もうとしていることがうかがえる。(宝田将志)