島田歌穂、コンサートを開く大阪との不思議な縁

産経ニュース

阪急三番街の”あの歌”は…

ミュージカル「レ・ミゼラブル」のエポニーヌ役で世界ベストキャストに選ばれた、俳優で歌手の島田歌穂。3年前に始めた観客を巻き込むコンサート「Musical,Musical,Musical‼」が今夏、初めて大阪で開催される。大阪・梅田にある「阪急三番街」の〝あの歌〟の声の主でもある島田は大阪芸術大学教授でもあり、教え子たちも立つ大阪のステージへの思いは深い。

悲願だった大阪でコンサートを開く島田歌穂。コロナ禍で感じたのは「ステージは奇跡の重なりで成り立っているんだなってこと」=大阪市浪速区(二星昭子撮影)
悲願だった大阪でコンサートを開く島田歌穂。コロナ禍で感じたのは「ステージは奇跡の重なりで成り立っているんだなってこと」=大阪市浪速区(二星昭子撮影)

コロナ禍を経て

「Musical-」は、ミュージカルに生き、育った俳優として、その魅力を多くの人たちに知ってもらおうと、3年前に東京で始めた。コンセプトに「聴く、学ぶ、歌う」を掲げるコンサートはミュージカル曲を中心に構成しつつ、観客がミュージカル曲を合唱する企画を盛り込んだ。

「皆さんが歌ってくれるのかドキドキだったんです。でも、思っていた以上に声を出してくれて、本当に素晴らしくて、楽しそうで、感動的で…」

コンサートはシリーズ化が決まり、翌令和2年に第2弾の開催を目指したが、新型コロナウイルス禍に見舞われる。開催のめどが立たなくなったばかりか、自身のスケジュールも白紙となる時期が続いた。

「歌うこと、演じることといった自分がやってきたこと全てが、不要不急なんだなって思ったんですよね」と振り返り、「ありとあらゆるステージに立つことが二度とできないのではないかって、思いました」とも話す。

足踏みで空間を共有

全国各地の劇場が手探りで「再開」を模索していた同年夏のことだ。ある公演のリハーサルは、共演者と距離を置くなどピリピリした雰囲気の中で行われた。「怖い」とも感じたが、客席に移りオーケストラの生演奏を聴くと、本能のようなものが目覚めたという。

「涙が出てしまって。やっぱり私は、この空気の中で生きてきたんだと気付かせてもらったんです。不要不急だとか、いじけていてはいけない。人々の心に栄養は必要なんだから、私はその道で生きてきたのだから、何を言われようともやってやろうと思いました」

ミュージカルの名曲を集めたコンサートを大阪で開く島田歌穂=大阪市浪速区(二星昭子撮影)

令和3年、「Musical-」の第2弾を開催する。客席には、出せない声の代わりに、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の劇中歌「民衆の歌」で手拍子と足踏みでリズムを刻んでもらった。

「手拍子だけでは月並みかなと思ったんです。最初は恥ずかしそうにしていた方も、だんだんと参加してくれたんです」。ライブは、劇場で空間を共有する全ての人たちで作り上げることを再確認した。

教え子がサポートに

歌うときは「その曲に込められたドラマを伝える言葉を伝えるという感覚」なのだという。

島田歌穂=大阪市浪速区(二星昭子撮影)

ミュージカルで活躍する一方、子役時代からせりふ劇を大切にしてきた意識からくるそうだ。「いかに言葉を伝えるかということを学び、そこで得たものが歌の表現にも絶対に生きてくるっていうことを、信じてやってきました」

歌うときは言葉を大切にするという思いは、平成15年から教壇に立つ大阪芸術大学でも、舞台芸術学科の学生たちに伝えている。指導を受けた学生たちの中には、ミュージカルの一線で活躍している俳優たちもいて、「Musical-」のステージでも毎回、教え子たちがサポートメンバーとして共演している。

第3弾となる今回のステージはこれまでの東京に加え、名古屋と大阪でも開催することになった。20年近く大学で後進を育ててきた大阪での公演は悲願でもあり、今回出演する4人の教え子にとっては、いわば凱旋(がいせん)公演でもある。

「(大阪公演は)格別な思いがありますよね」と島田。「そして、大阪とは不思議なご縁があるんですよ」と言って、ほほ笑みながら「♪HAVE A NICE TIME」と口ずさんだ。そう、大阪・梅田の阪急三番街で定時に流れる「川の流れる街で」は島田が歌っている。

「大好きな街です」と語る大阪公演は31日、NHK大阪ホールで開かれる。「〝ミュージカルがもっと好きになる!〟がテーマ。自由に感じていただければと思います」。透き通る、聞き慣れた記憶に残る声でそうアピールした。(渡部圭介)

「Musical,Musical,Musical!!」大阪公演

島田歌穂によるコンサート「Musical,Musical,Musical!!」大阪公演は7月31日にNHK大阪ホール(大阪市中央区)で開催。今回のテーマはミュージカル映画で、「サウンド・オブ・ミュージック」や「ウエスト・サイド・ストーリー」など、とっておきの名曲をセレクトし、ミュージカルになじみのない人にも楽しめる内容となっている。

観客も参加して舞台と一緒に音楽をつくりあげるステージもあるが、どんな演出になるかは当日のお楽しみ。ゲストは元宝塚歌劇団トップスター、朝夏(あさか)まなと。午後5時半開演。全席指定8800円。問い合わせはチケットポート(03-6327-3710、平日午前10時~午後6時)。

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