電力不足リスク視されず 企業のBCP策定遅れる

産経ニュース
関西電力で唯一稼働している大飯原発3号機(手前)。原発再稼働が進まないこともあり、電力不足は企業経営の大きなリスクになっている=2020年10月、福井県おおい町(本社ヘリから、鳥越瑞絵撮影)
関西電力で唯一稼働している大飯原発3号機(手前)。原発再稼働が進まないこともあり、電力不足は企業経営の大きなリスクになっている=2020年10月、福井県おおい町(本社ヘリから、鳥越瑞絵撮影)

全国的に電力需給逼迫(ひっぱく)の懸念が高まっているが、企業では電力不足に備えた事業継続計画(BCP)の策定が遅れている。自然災害や感染症をリスクと想定する一方、電力は安定供給されるものとしてリスクとみてこなかったからだ。原子力発電所の稼働状況からも電力不足はもはや「想定外」といえず、今後、企業はBCP策定の検討を迫られそうだ。

パナソニックホールディングス(HD)は災害時の停電に備えたBCPがあるが、電力不足についての策定はしていない。政府や電力会社の要請に応じて製造拠点の稼働時間を変更したり、エアコンやエレベーターの使用を停止したりする対策は、災害のBCPに盛り込んでいる。

シャープも電力不足についてのBCPは策定していない。理由について、同社の担当者は「(電力不足の)状況や条件により対応が異なるため、一律の計画を策定するのは難しい」と説明する。

回転ずし大手のくら寿司は地震や火災、台風を想定したBCPを策定しているが、「全ての災害を網羅するようなものはない」とする。電力不足も想定できていないリスクの一つ。担当者は「これまで(電力不足で)差し迫った場面が少なかったためだが今後、社内で話し合いたい」と語った。

これに対し、エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングの担当者は「大規模な電力不足へのBCPは策定してあり、実際にそのような状況が起きたときに開示する方針だ」と明かした。

東京商工リサーチが今年4月に全国の約5100社に行った調査では、1440社が「BCPを策定済み」と回答。このうち、想定リスクとして最も多くあがったのは「自然災害(自社被災)」で88・8%、続いて「感染症」が56・7%だったが、「電力不足」は16・5%にとどまった(複数回答)。

帝国データバンク大阪支社の昌木裕司情報部長は「これまで企業にとって電力は安定供給されるのが前提であり、自然災害などによる一時的な停電への備えぐらいしかなかったのではないか」と指摘。原発停止などで電力不足が常態化する恐れもあることから、「対策をBCPメニューに追加する必要性は高まっている。抜本的な対策は立てづらいが、電力の代替の調達先を探すことや、蓄電池の導入などが対応策となりそうだ」と述べた。

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