プロボクシング東洋太平洋、WBOアジア・パシフィック(AP)、日本ライトフライ級王座統一戦が2日、東京・後楽園ホールで行われた。日本王者の岩田翔吉(26)=帝拳=が、東洋太平洋王者の堀川謙一(42)=三迫=に3-0の12回判定勝ち。空位だったWBOAP王座も獲得し、史上5人目の地域タイトル3冠王者となった。
岩田が世界前哨戦と位置付けていた一戦で、大ベテランの老獪(ろうかい)さを感じながらも、快勝した。
「堀川さんがベテランの意地と、いろんなうまさを試合で教えてくれた。無事に3つのベルトを手にしてうれしいけど、もっと12ラウンドを闘う引き出しを積めてやっていきたい」。世界ランクはWBAとWBCが2位、WBOは3位と、世界戦を目前にしているからこその反省の言葉だった。
序盤は抜群の出来で、流れをつかんだが、4回に現役日本選手最多のプロ59戦目だった堀川が前に出てくると、下がってしまい対応に苦心した。それでも5回からは不用意に下がらないように修正。要所で強打を浴びせ、パンチ力の差を見せた。8回には右ストレートを効かせてラッシュを仕掛けたが、堀川のうまさもあり、仕留めきれなかった。
それでも「キャリアがある相手と12ラウンドやれたのは大きかった。いい経験になった」とプラスにとらえた。「すごく自信はあるので、やりたい気持ちはある」と次戦での世界初挑戦を希望。「決めてもらった相手とやる。WBCのベルトはすごくかっこいいなと思うけど、世界王者は子供のころからの夢なので、どの色のベルトでもやりたい」と相手は選ばない。
元世界2階級制覇王者の粟生隆寛トレーナー(38)も「話があればいつでも準備はできている。少しずつ成長している」とゴーサイン。WBC王者の寺地拳四朗(30)=BMB=が会場で観戦する中、岩田は世界初挑戦にさらに近づいた。
プロ戦績は岩田が9戦9勝(6KO)、堀川が59戦41勝(14KO)17敗1分けとなった。