「2015年―アベノミクスに台頭! ミシュラン一つ星ラーメンが放つ「三本の矢」」ではミシュラン一つ星を獲得し、創作ラーメンの旗手として業界を牽引する『JapaneseSobaNoodles蔦』に、コロナ禍におけるラーメン店を追った「2020年―コロナ禍でマルチロールに進化! ソラノイロの大戦略」では、ニューノーマルな営業スタイルを模索する『ソラノイロ』に注目した。イノベーションは厨房の中にとどまるものではない。今や情報発信やマーケティング、空間プロデュースにまで及んでいるのだ。
本連載は東京をはじめとする都市圏のラーメンを主に紹介してきたが、地方発のご当地ラーメンに迫った「1987-「環七ラーメン戦争」 九州ド豚骨、濃度とスメルで東都に進出!」、全国のラーメン集合施設として存在感を発揮する『新横浜ラーメン博物館』を紹介した「1994-バブルの瓦礫に響くご当地ラーメンの胎動 新横浜ラーメン博物館オープン」、中国など世界にチェーンを広げた『味千ラーメン』をフィーチャーした「2010年―熊本から巨龍・中国を飲み込む! 味千ラーメンの軌跡」など、国内およびグローバルへの広がりも論考している。
時代を強烈に意識して「進化」を遂げつつ、味と訴求力をギリギリまで突き詰めていく「深化」――戦後のラーメン店は進化と深化をスパイラルしながら、ニッポン経済の中で歩んできた。私たちは丼から立ち上る湯気の中に、無数の職人たちの志と気概を見るだろう。大衆と共にあり、大衆に寄り添って笑顔を創ってきた。それがニッポンのラーメンだ。