ISOコンサルタントとはどんな仕事か 年収は?必要な資格はあるか?

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はじめに

皆さんは、ISOコンサルタントという仕事をご存知ですか?「初めて聞いた」という方はもちろん、「目指したいけれど、具体的な仕事内容やどんなスキルや資格が必要になるのか分からない」という方もいるでしょう。そこで今回は、ISOコンサルタントについて、「ISO」の定義やコンサルタントの役割、仕事内容や年収、スキルなどを徹底解説します。

「ISO」とその「コンサルタント」とは?

※画像はイメージです(Getty Images)
※画像はイメージです(Getty Images)

ISOコンサルタントとはどんな役割があり、何をする仕事なのかを知るためには、まず「ISO」とは何かを理解する必要があります。ここでは、ISOとは何か、そしてコンサルタントの役割を解説します。

ISOの特徴

「ISO」とは、「国際標準化機構」を意味する英語の略称です。企業によって、取引のルールや、取引の要となる製品やサービスの品質基準が異なることは少なくありません。この基準の差異をなくすために「共通の基準」を作り、国内・国外問わず企業間の取引に役立てるために作られたのが「ISO規格」なのです。

規格には、品質や環境、食品・労働の安全、情報など、多様な規格が存在します。これらの規格の認証取得は対外的な取引に役立つだけでなく、国際基準の品質や安全を満たしているという信用にも繋がります。そのため、取得を目指す企業は多いのです。

ISOコンサルタントの役割

ISOコンサルタントの役割は、企業が認証を目指すISO規格を取得するに必要な環境構築と助言です。ISO規格の種類は多岐にわたり、分野や目的によって取得すべきものは異なります。また、取得においては、ISO規格が求める「要求事項」を達成しなければなりません。

大半のISO規格は、適切な「マネジメントシステム」の構築と一定期間の運用、PDCA(計画・実施・チェック・改善)のサイクルが成立していることを求めます。マネジメントシステムとは端的に言うと「企業が経営、運営を行うための制度・方式」のことです。コンサルタントは、取得する規格に基づいた制度や方式の提案や導入を通して、認定の取得を支援するのが役目と言えます。

ISOコンサルタントの年収

ISOコンサルタントは、能力や年齢、経験に加えて、どのような働き方をするかによっても年収が異なるのが特徴です。例えば、「ISO審査員」の業務も兼ねて特定の企業で働く場合、年収は350~600万円と大きく開きがあります。これは、ISOに対して企業がどの程度重きを置いているかによって変動していると捉えることもできます。また、大手コンサルティングファームに所属し働く場合は、所属するファームの規模にもよりますが年収は1,000万円を超える場合もあるでしょう。

知識や経験を活かして独立しフリーのISOコンサルタントとして働くのであれば、自身の手腕にもよりますが、他の分野のコンサルタントと同じく1,000~2,000万円の年収を得ることも不可能ではないとされています。

ISOコンサルタントの仕事内容

ここでは、ISOコンサルタントの仕事内容をより具体的に紹介します。

ISO認定取得を支援する

認定取得に向けて支援を行います。運用に必要となる規約・体制・ルールを整備し、運用ルールに基づいたシステム化を行います。そして、システムを実際に構築し、PDCAサイクルを含めて適切な運用ができるように指導・支援を行うのです。支援の内容は、システムをマニュアル化し効率的な運用を促すことや、システム導入後の状況調査結果に応じて助言するなど多岐にわたります。審査機関による審査を受けるためには、構築したシステムを一定期間運用する必要があるでしょう。審査を受け合格し無事に認定が取得できたら、次の段階に進みます。

ISOにまつわる課題の解決やサポート

ISOコンサルタントの仕事は、ISO認証を取得したら終わりではありません。認証取得後、構築したマネジメントシステムが業務の効率化に役立っているかを調査し、結果に応じて改めてサポートやアドバイスを行います。

例えば、審査を受けるまでは完璧にシステムが運用できていても、認証取得後に課題点が見つかる場合があります。また、審査時に審査員から課題点を指摘される場合もあるでしょう。それらの課題を解決し、より効率的なシステムの運用や業務効率化のノウハウを伝えるのは、顧客の悩みを解決するコンサルタントとして必須といえます。

ISOコンサルタントに求められるスキル

※画像はイメージです(Getty Images)

次に、ISOコンサルタントに求められるスキルや、持っていると役立つスキルについて紹介します。

物事をわかりやすく説明するスキル

ISOコンサルタントには、「物事をわかりやすく説明できる力」は不可欠です。顧客に対し、ISOをはじめ様々な情報を理解してもらう必要があるためです。

例えば、あるISO規格認定取得において、その規格の目的はなにか、取得のためには何を達成すべきかの説明は欠かせません。その際、専門用語をただ並べるだけでは、顧客にとってわかりやすいとは言えないでしょう。それだけでなく、その後のシステム導入や運用の際に、認識の食い違いによるトラブル発生の恐れもあります。そのため、必要に応じて難しい用語や仕組みをかみ砕き、ISOに不慣れな相手でもきちんと理解できるよう説明すべきなのです。

理解力

業務を円滑に進めるためには、「理解力」も必須のスキルと言えます。顧客へのヒアリングにおいて、顧客がISOを通して何を求めているのかを正しく汲み取る必要があります。また、顧客の要望に対してISOやマネジメントシステムをどう活用すべきか考えるのも、ISOに対する深い理解がなければ難しいでしょう。

知識をただ当てはめるだけでは、時に現場では通用しない場合があります。ISO規格と顧客の要望を両立できるシステムを企業や組織に組み込むためには、両者に対する理解力と応用力が不可欠なのです。

ISO規格に対する深い知識

最後に、ISOコンサルタントにとって最も重要なのが、「ISOおよびISO規格に関する専門知識」です。ISOの知識がなければ、満足に仕事をするのも困難となります。

ISO規格によって認定取得に欠かせない「要求事項」は異なります。ISOコンサルタントは、企業が取得する規格に従ってそれらの要求事項を正しく把握した上で、マネジメントシステムの構築・運用支援を行わなければなりません。ISO規格の要求事項の実現には、適切に解釈を伝え組織に落とし込む必要があります。ただの文章や決まりとして暗記するのではなく、「生きた知識」として活用すべきなのです。

ISOコンサルタントに資格は必要?

ISOコンサルタントになるためには、実は資格の取得は必須ではありません。そのため、資格を持っていなくてもISOに関する知識と実務能力があれば、コンサルタントの仕事ができるのです。

ただ、ISOには「ISO審査員」という資格があります。これはISO認定取得を審査するために必要な資格ですが、十分な知識を有しているという対外的な証明にもなるため、ISO審査員の資格を取得しているISOコンサルタントも多いのです。さらに、ISO審査員を取得していると審査員としての業務も兼任できるようになるため、その点においてもおすすめの資格と言えるでしょう。

まとめ

ISOコンサルタントは、他の分野のコンサルタントに比べてあまり知名度が高いとは言えないでしょう。そのため、目指すためのハードルが高いという先入観を持ってしまったり、収入面に不安を抱いてしまう人も少なくありません。

しかし、知識とスキルがあればISOコンサルタントになるのは決して難しくはなく、特定の企業やコンサルティングファームへの就職、独立など、選択肢も様々です。さらに、年収も他の職種と比較すると高い傾向にあります。もし目指したいと考えているならば、ISO審査員資格の取得をはじめ、一歩を踏み出してみることをおすすめします。

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