ロシアによるウクライナ侵攻で、中部ポルタワ州当局は28日、同州クレメンチュクの商業施設が27日に露軍のミサイル攻撃を受け、少なくとも18人が死亡、子供を含む50人以上が負傷したと発表した。負傷者の一部は重体。施設には1000人以上の市民がいたとされる。21人が行方不明になっているといい、被害はさらに拡大する恐れがある。
ゼレンスキー大統領は27日、「欧州の歴史上、最もひどいテロ行為の一つだ」と非難。東部ハリコフ州でもこの日の砲撃で子供を含む5人が死亡したとし、「ロシアは世界最大のテロ国家になった」と述べた。
ドイツで首脳会談を開催中の先進7カ国(G7)は27日、「戦争犯罪だ」とする非難声明を発表し、プーチン露大統領に責任者を追及するよう要求した。
露国防省は28日、クレメンチュクへの攻撃について「ウクライナ軍によって弾薬が貯蔵されていた自動車工場を破壊した」とし、「工場内の弾薬が誘爆し、隣接する休業中の商業施設で火災が発生した」と主張した。
露軍は25日、ウクライナ各地に計数十発のミサイルを発射。26日には首都キーウ(キエフ)の高層住宅にミサイルが着弾し、子供を含む7人が死傷した。南部ミコライフ州当局も28日、市街地がミサイル攻撃を受け、乳児を含む3人が死亡したと発表した。露軍の無差別的なミサイル攻撃については、ウクライナ国民に恐怖を与え抗戦を断念させる思惑が指摘されている。
東部ルガンスク州のウクライナ軍の最終拠点、リシチャンスクでは28日も激戦が続いた。同州のガイダイ知事は露軍がリシチャンスクの包囲を試みていると発表。露軍と共同戦線を張る親露派武装勢力「ルガンスク人民共和国」(自称)は27日、市郊外の石油精製所の一部を占拠したと主張した。