経済産業省は28日、東京電力管内では電力需給の逼迫(ひっぱく)が引き続き見込まれるとして、29日も電力の供給余力を示す供給予備率が5%を下回った場合に発令される「電力需給逼迫注意報」を継続すると発表した。注意報に基づく節電の呼びかけは3日連続だが、29日は過去2日と比べても気温が高くなり、電力需給の逼迫度合いは増す見通しで、これまでよりも長い午後3~8時にかけて、節電を呼びかけることにした。
東電によると29日は、緊急用の対策も含めて取り得る手段を全て講じた上で臨むといい「ひとたび不測の事態、気温のさらなる上昇があれば非常に厳しい状況になる」と説明。特に午後4時半以降が最も厳しく安定供給の目安である予備率3%に迫る見通しで、経産省の担当者も「明日の需給の状況次第で一段強いお願いが必要になる可能性がある」と、「注意報」を「警報」に格上げし、節電目標を提示するなどの対策をとる可能性にも言及した。
ただ、熱中症への懸念も高まることから、冷房を活用するなど「熱中症対策にも十分注意してほしい」と呼びかけた。
28日の需給については、最も厳しい午後4時半からの30分の予備率を3・9%と予想していたが、節電協力や太陽光発電の出力が増えたことを受けて、予備率は9・8%まで改善し、乗り切った。
東電と同様に、29日に予備率が5%を下回る可能性があるとして27日に「需給逼迫準備情報」を出していた北海道電力と東北電力管内では、一定の予備率が確保できる見通しとなったとして、注意報は発令しなかった。
一方、東電と東北電、北電は28日、30日についても予備率が5%を下回る可能性があるとして、「需給逼迫準備情報」を出した。