再考・犯罪被害者

道半ばの支援、改めて考えたい

再発足した新全国犯罪被害者の会(新あすの会)の設立総会=東京都千代田区(三尾郁恵撮影)
再発足した新全国犯罪被害者の会(新あすの会)の設立総会=東京都千代田区(三尾郁恵撮影)

犯罪被害者や遺族は身体的・精神的な苦しみとともに、経済的な困難も抱えている。近年、刑事裁判で遺族らが意見などを述べる被害者参加制度が実現するなど、被害者側の権利は向上しつつあるとはいえ、戦後重視されてきた加害者の権利にはまだ及ばない。

犯罪被害者の権利確立に大きな足跡を残し、平成30年に解散した「全国犯罪被害者の会(あすの会)」が3月、「新あすの会」として再発足した。代表幹事の岡村勲弁護士(93)は被害者や遺族に対する経済的支援などを国に求め、「被害者らが安心できる制度を一日も早く作ることが必要だ」と語る。

大阪・北新地のクリニック放火殺人事件の遺族は、犠牲者が「無職」ゆえの国の給付金の少なさに傷ついている。小学生の愛息を殺害された父親は加害者から謝罪も賠償もなく苦しんでいる。暴行事件で脳障害を負った男性家族は長期的な経済不安を抱えている。岡村弁護士もかつて妻を殺害された一遺族として、自分に続く遺族や被害者の経済的な苦境を改善しようと奮闘している。

犯罪被害者の支援が道半ばの今、この社会は被害者のために何ができるのか、そして加害者にどう対処すればいいのか。「再考・犯罪被害者」シリーズとして、改めて犯罪被害者を取り巻く現状や問題点などを考えてみたい。



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