23日の欧州連合(EU)首脳会議で「EU加盟候補国」として承認されたウクライナからは喜びの声が上がった。
ゼレンスキー大統領は同日、インスタグラムを通じ「(旧ソ連からの)独立以降の約30年間で、わが国にとって最も重要な決定の一つだ」と表明。「ロシアの侵略でわれわれの自由と団結を守る能力が試されている中、欧州の強化に向けた最も大きな一歩だ」と述べた上で、EU首脳陣や最前線の兵士らに感謝をささげた。ツイッターにも「ウクライナの未来はEUの中にある」と書き込んだ。
シュミハリ首相も同日、EU加盟候補国の地位獲得によりウクライナは各国企業から有望な市場とみなされ、投資拡大が期待できる-と指摘。「ウクライナは欧州に対し、食糧安全保障の強化やグリーン経済への移行、対露エネルギー依存度の低減などで貢献できる」と述べた。ウクライナメディアが伝えた。
ステファニシナ副首相(欧州統合担当)も「歴史的な決定を歓迎する」と評価。EUからの財政支援や技術協力を受けながら加盟に向けた国内改革を進める-と表明した。
同国は今後、汚職撲滅や行政、司法、経済分野での幅広い改革が求められ、実際の加盟は相当先になる見通し。ロシアは侵攻を通じてウクライナに親露派の傀儡(かいらい)政権を樹立する思惑を捨てていないとみられ、ウクライナのEU入りを阻止しようと攻勢をさらに強める恐れがある。