補欠選挙での初当選から8カ月。同じ政治の世界でありながら、それまで約15年間務めてきた地方議員時代とは異なる、国会での手法や文化に戸惑いも感じている。「地方議員は、首長と考え方は違っても同じベクトルで動く。だが国会は与党のペースで動くので、情報一つ得るにも官僚がなかなか動かない」
それでも「今は仮免許。とにかく仕事で恩返しする」と、40歳の若さに似合わぬ長い地方議員経験と、県内に張り巡らしたネットワークを生かし、国会で鋭い質問を繰り出して存在感を発揮してきた。
医者になりたかった高校生が、浪人して「人の役に立てる仕事は医者だけじゃない」と予備校講師に諭され、全く異なる政治家の道を目指した。議員事務所での〝修行〟を経て、25歳で被選挙権を得るとすぐに浜松市議に挑戦し初当選。以来、市議2期、県議3期、昨年の国政初挑戦も含めて落選経験はなく、順風満帆に政治のキャリアを重ねてきた。
ところが参院補選での当選直後、週刊誌で過去の女性問題が報じられた。直ちに認めて報道陣の前でも謝罪したが、傷ついたに違いない妻と3人の子供たち。だが、「パパがもう1回出るなら応援する」と気丈にふるまってくれた。「家族の後押しで100%の力を発揮できている。今回もいろいろなことを乗り越えて環境を整えてくれている」と目元を拭う。
ほぼ毎日、東京-浜松間を往復する日々の中で、なるべく浜松の自宅で家族と食事をともにすることを心がけている。
モットーの「有言実行・不言実行」実践のため、野球やマラソンなどで鍛えてきた体力を生かして広い県内を駆け回って再び選挙戦を乗り切り、国政で仕事を続ける覚悟だ。