兵庫県尼崎市の委託業者が全市民約46万人の個人情報が入ったUSBメモリーを紛失した問題で、委託業者は24日、同市内で記者会見。メモリーは大阪府吹田市内のマンション敷地内で見つかり、パスワードやデータの暗号化状態が変更された形跡はないと明らかにした。
委託業者の説明などによると、協力会社の男性社員は21日に尼崎市でデータをメモリーに移した後、吹田市内のコールセンターに移動。男性社員ら4人でデータの更新作業を実施した。その後、作業に携わった4人で約3時間飲食。飲食店を出た際に、男性社員はメモリーが入ったかばんを持っていたという。
男性社員はその後、帰宅時に泥酔して路上で寝込み、翌日午前3時ごろに目覚めたときには、かばんがなくなっていた。男性社員は同午前9時ごろ、会社に欠勤の連絡を入れたものの、メモリーをなくしたことについての報告はなかったという。
委託業者の幹部は会見で、「多大なご迷惑をおかけした。管理体制を見直し、教育指導の再徹底を行う」と謝罪した。
メモリーには、尼崎市民の氏名や住所、生年月日などのほか、生活保護受給世帯や児童手当受給世帯の口座情報などが含まれていた。
大阪府警吹田署によると、24日朝から署員約30人が捜索を実施。紛失した社員と署員が吹田市内のマンションの敷地内でかばんを発見した。
この社員は紛失前後、マンションの敷地内に立ち入った記憶があると話しているという。かばんの中身は紛失した時点のままで、盗難被害などには遭っていなかった。