パナソニックホールディングス(HD)は23日、大阪市内で定時株主総会を開き、総会のオンライン開催や取締役12人の選任などの議案を可決した。4月に持ち株会社制に移行して初の総会で、株主からはパナソニックHDの現状や今後の経営方針に関する質問が相次いだ。
「株価が同業他社と比べて低いことをどう考えているか」との質問に対し、楠見雄規社長は「経営体質は改善しているが、いまだに競合他社と比べ劣後している」と話し、「今少し長い目で見ていただきたい」と呼びかけた。テレビやオーディオ事業について「撤退することはないか」との質問には「一つの独立会社として独り立ちさせるのが狙い。撤退は一切考えていない」と断言した。
また、ソニーグループとホンダの電気自動車(EV)への参入を受け、「パナソニックは車を作らないのか」という質問も。楠見社長は「当社は自動車メーカーが作る車に貢献し、EV化に対応していく」との見解を示した。
出席した京都市の70代男性株主は「株価が伸び悩んでいるのが不安。改革の効果がまだ見えていないので、今後どうなるか」と話した。