自転車・全日本女子ロードが開催見送り ルールめぐり騒動に 取り消し求めて再度の仲裁へ

産経ニュース
東京五輪の自転車女子個人ロードレースのゴールシーン=2021年7月、富士スピードウェイ
東京五輪の自転車女子個人ロードレースのゴールシーン=2021年7月、富士スピードウェイ

自転車ロードレースの日本一を決定する「第90回全日本自転車競技選手権大会ロードレース」の女子エリートと23歳未満の女子の混走レースが開催見送りとなり、波紋を呼んでいる。6月25日に広島県立中央森林公園で開催だったが、大会特別規則をめぐり、選手と主催者の日本自転車競技連盟(JCF)が対立。日本スポーツ仲裁機構(JSAA)での仲裁に発展し、選手側の言い分が認められたものの、レースの安全性が確保できないとの判断から、JCFが21日に開催の見送りを公表した。

日本の独自ルールに抗議

争点となったのは、「チームカーは競技に随行できない」と記された大会特別規則の第2項。自転車ロードレースでは、メカニックトラブルや補給食などで、選手をサポートするチームカーが随行する。しかし、JCFはレースコースが全般的に狭く、下り坂で見通しの悪いワインディング部分が多々あることから、大会特別規則でチームカーの参加を認めていなかった。

これに対し、参加予定の選手が、JCFが準拠すべき、国際自転車競技連盟(UCI)の競技ルールに反すると主張。6月10日に主催者に大会特別規則の取り消しを要請したものの、JCF側は安全性の確保ができないとし、選手の要請を退けた。

選手側は同日中にJSAAに仲裁の申し立てを実施。18日の仲裁判断は、選手側の言い分を認めており、大会特別規則の第2項の削除を求めた。

安全重視で男子はルールを残す

JCFは21日昼、チームカーの随行を認めた場合の安全なレースの運営が困難と判断し、女子レースの開催を見送ると公表。男女共通の大会特別規則の第2項も削除した。しかし、開催予定の男子レースにおいては、大会特別規則を改定したうえで、第2項を残しており、チームカーの随行を認めていない。

今回の公表にあたり、JCFの松村正之会長は「レースの安全性を再度熟考した結果、同規則を削除して1チーム1台のチームカーを入れた状態では安全なレースを開催する方法がなく、仲裁判断にかかるレース開催は見送るという苦渋の決断をした」とコメントしている。

開催見送りの取り消しを再度申し立て

選手の申立代理人を務める弁護士の湯尻淳也氏は「UCIルールは安全性を考慮したうえで定めている。ロードレースで当然認められているサポートカーが許されないのはおかしい」とする。それでも安全性を主張するのであれば「コース自体に問題がある」と指摘。さらには、「女子がダメなら、当然、男子もダメ。公平性がない。仲裁判断の趣旨を曲解しているのではないか」(湯尻氏)とJCFの対応をいぶかしがる。

湯尻氏は21日昼過ぎに女子レース開催見送り決定の取り消しを求めて、再びスポーツ仲裁を申し立てた。「開催日までに仲裁判断を得ることは客観的に見ても不可能ではない」(同)とし、事態が急展開する余地はまだ残されたままだ。(大澤昌弘)

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