どう思う? 議員の「先生」呼び  〝勘違い〟助長の側面も…

産経ニュース
令和元年の参院選で投じられた一票。政治参加は暮らしをよくすることにつながると選挙・政策アドバイザーの高井章博氏は話す
令和元年の参院選で投じられた一票。政治参加は暮らしをよくすることにつながると選挙・政策アドバイザーの高井章博氏は話す

国会議員をはじめ、地方議員も周囲から「先生」と呼ばれることが多い。いわゆる「先生」ではないのに、どうしてこう呼ばれているのか。古くから政界に根付くこの慣習については「違和感ない」とする声がある一方、「思い上がりを助長する」といった否定的な意見もある。参院選が迫るなか、議員を「先生」と呼ぶことの是非や、有権者はどんな視点で一票を投じるべきかなどについて、事情に詳しい専門家に話を聞いた。(外崎晃彦)

「先生、お久しぶりでございます」「先生、こちらへどうぞ」-。

国会議員が集う会合やパーティーの席などでは、参加者が議員らを「先生」と呼んで持ち上げる光景がよく見られる。

こうした〝慣習〟に異を唱えているのが、特定行政書士で選挙・政策アドバイザーの高井章博氏だ。高井氏は「このおかしな呼び方が、思い上がる議員を生んでいる」と語る。「辞書を引いても、『先生』は議員に対する敬称に用いることはあるものの、本来的な用法ではない」として、著書などを通して、呼称の使用撤廃を提案している。

特定行政書士で選挙・政策アドバイザーの高井章博氏
特定行政書士で選挙・政策アドバイザーの高井章博氏

こうした意見は政界内部にも少なくなく、インターネット上などには、使用を控えるように望む声がみられる。

起源は明治か?

では、この呼び方は一体いつ始まったのか。

高井氏は「国会が始まった明治時代ごろとする説が有力」とする。現在の秘書にあたる「書生」らは当時、多くが議員宅に住み込んで仕えていた。そんな書生にとって、議員は政治を教えてくれる「先生」のような立場であり、親しみも込めてそう呼ぶようになったと推察されるという。議員を指す「先生」とは「政治の世界の先生」のことだったようだ。

その呼び名は次第に役人など〝身内〟以外も使うようになり、ついには一般人にも広がり、現在に至っているという。ただ、有権者からは「国民を代表する偉い立場にある人なので問題ない」といった声がある一方で、「上下関係を生むような呼び方はふさわしくない」といった否定的な意見も聞かれた。

高井氏も「先生という呼称は決して適切ではない」と断言する。「威張ったり、役人に対して当然のようにいろいろな要求をしたりする議員もいる。先生と呼ばれて持ち上げられるうちに勘違いし、これが助長される側面はあるだろう」としている。

参院選は22日に公示、7月10日に投開票される。改選議席と欠員補充の計125議席に対して、選挙区と比例代表を合わせ、520人超が立候補を予定している。

投票のポイントについて高井氏は「議員は国民の代表だが、あくまで国民の一部。当選によって特権的な立場になるわけではなく、対等な立場であることを忘れてはいけない」と話す。 その上で、「自分の考えや感覚に一番近いと思う人を選ぶのがいい。特に若い有権者には、政治に参加することで自分たちの暮らしはよくすることができるということを知ってほしい」と提案している。

秘書ら否定的意見も

「先生」と呼ぶことについては、国会議員の秘書ら関係者はどう考えているのだろうか。

ある現職国会議員の秘書は「周囲が持ち上げるせいか、尊大な態度を取るベテラン議員もいる」と吐露。自らが秘書を務めている議員については「当選回数が少ないので当初は違和感があった」としつつも、「聞き慣れて気にならなくなってしまっている。先生と呼ばれることが(態度を)大きくするのであれば、(自分の事務所では)そうならないように気を引き締めたい」と話した。

参院選に立候補を予定している新人候補の一人は、「自分が議員になったからといって、これまで関わってきた人たちとの立場が変わるわけではない。それなのに、突然『先生』と呼ばれると上下関係が生まれるようでおかしい」とし、自分が当選しても「(先生と)呼んでほしくない」と語った。

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