キックボクシングイベント「THE MATCH2022」が19日、東京ドームで行われた。第9試合の62キロ契約3分3回延長1回はYA-MAN(26)=TARGET SHIBUYA=が、芦沢竜誠(27)=DRAGON FISH=に1回1分49秒TKO勝ち。〝けんかマッチ〟を制した。
会見や前日計量でお互いに舌戦や乱闘を繰り返した両者の闘いは1回であっさりと決着がついた。
「最高の一言。最高の舞台で最高の勝ち方ができた。これ以外の言葉が見当たらない。今までの試合の中で一番冷静だった」
この日の全16試合で唯一、オープンフィンガーグローブで行われた一戦は、ゴングと同時に芦沢が前蹴りで飛びかかりスタート。開始直後から両者が大振りでパンチを振り回し、YA-MANが右フックでダウンを奪った。YA-MANは立ち上がった芦沢に猛攻を仕掛け、再び右フック。芦沢をキャンバスに沈めると、特大のガッツポーズで大喜びした。
その後、リング上で芦沢と抱き合い、短く言葉を交わして健闘をたたえ合った。「もっとアウトボクシングしてくると思った。打ち合いにきたことは男として認めるしかない。試合が終わったらノーサイド」と試合前のいざこざを水に流した。
「凡人でも気合と根性があれば格闘技最高峰の舞台に立てることを証明した。努力すればここまでこれるので皆さん頑張ってください」とYA-MANはリング上からメッセージを送った。
ラッパーのANARCHYとともに歌いながら入場し、会場を盛り上げた芦沢は「俺の負け。完敗。あいつは強かった。でも次やったら絶対に勝てる。俺が一番東京ドームをぶち上げた」と強がるのが精いっぱいだった。
プロ戦績はYA-MANが14戦11勝(5KO)3敗、芦沢が38戦24勝(15KO)13敗1分けとなった。