話の肖像画

落語家・桂宮治(18)楽しんで…普通ではない落語会

産経ニュース
幽霊のコスプレ姿で臨んだ「オープニングトーク」=4月28日、東京・半蔵門の国立演芸場(池田証志撮影)
幽霊のコスプレ姿で臨んだ「オープニングトーク」=4月28日、東京・半蔵門の国立演芸場(池田証志撮影)

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《国立演芸場の独演会シリーズの名物といえば、「オープニングアクト」だ。前座の前に舞台に上がり、10~20分、ときには30分も立ったまましゃべり続ける。しかも、コスプレ姿で。あるときはマジシャン、あるときは幽霊。妖怪のアマビエになったこともある。まさに変幻自在―》

「ただ、落語をやるのって面白くないな」って思って、歌舞伎風の口上をやったのが始まりかな。黒紋付きを着て、安くてちゃっちいヅラをかぶって、白塗りしてやってみたら面白かった。自分は芝居もやっていたし、こんなのもありだなということで、それ以来、毎回続けています。エンターテインメントというか、ショーというか。2時間の中にトークがあったり、踊りがあったりという落語会があってもいいじゃないかと。

こういう照明やこういう曲をかけてこういうふうにやったらどうだろうと、いつもチャレンジしています。普通の落語会でない落語会をつくる作業を、国立演芸場の照明や音響のスタッフさんも楽しみながらしっかりつくってくれる。本当に職人ですね。頭が下がります。

《コスプレ衣装はよく、東京・五反田の某ディスカウントストアで購入する》

本番の2、3日前に、お店で衣装や小道具を見ながら「こんなことできるな」って考えるのが楽しい。コスプレが好きというのではなく、ただ自分がやりたいことをやっているだけなんですけどね。こういうことを伝えたい、こういう表現がしたいという高尚なものはない。ただのお遊びです。そこでお客さまが「何バカなことやってるんだろ」って楽しんでくれればいいんです。

いきなり前座が高座に上がって堅苦しいところから始まって、通り一遍の落語をやって…というよりは、何か一回グッチャグッチャになっちゃったところから「はい、どうぞ」と入る方が僕はやりやすい。だから、チャレンジし過ぎというか、際どいネタもやっていました。最近はさすがに「オープニングトーク」という形にしました。それでもかなり攻めていますよ。

それを楽しいと思ってくれるお客さまが集まってくれているわけで、「あんなものは落語に対する冒(ぼう)瀆(とく)だ」と思う人は僕の高座に来ないでしょう。何百人も噺(はなし)家(か)がいるんだから、好きなときに好きな人を見ればいい。すべてのお客さまに好かれようなんてのは無理です。

《自称「人見知り噺家」らしい考え方だ》

前座のころから、サンケイリビング新聞社主催の独演会と、西荻窪の「宮治展」が同時進行であったからこそ、いまがあると思っています。大きいところと小さいところでのチャレンジをずっとやらせてもらえ、かなり恵まれた状況でした。

おかげで、会場を予約したり、チラシをつくったりとかいう手間は、ありがたいことに前座のころからほぼほぼしていません。だから、落語に集中することができました。唯一、二つ目昇進のときに披露目会を自分で企画したことがあります。そのころは二つ目披露目の会はなかったんですが、師匠を呼んで、披露目の口上もやった。前座のころにかわいがってくれていたお客さんが来ればできると思ったんです。

チケットも自分でつくったのですが、売り方も分からないので180のキャパなのに自由席のチケットを250枚くらい売ってしまった。そしたら当日、ギュウギュウで入れなくて、怒って帰った方もいました。お客さまには申し訳ありませんでしたが、「こんなにお祝いしてもらえるんだ。やってきたことは間違いじゃなかったのかな」って感じました。(聞き手 池田証志)

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