名古屋大などの国際共同研究チームが6~7月、豪雨をもたらす線状降水帯を生み出す「大気の川」の日本初となる航空機観測を実施することが18日、関係者への取材で分かった。大気の川は上空で帯状に続く水蒸気の流れだが、水蒸気の量などの正確な構造は分かっていない。近年に多発する豪雨のメカニズム解明につなげるのが狙い。
チームの坪木和久名古屋大教授は「正確な水蒸気量と立体的な構造が分かれば、豪雨の発生予測につながる」と期待を寄せている。
大気の川が東シナ海の上空で発生すると、九州や西日本に流れ込んで線状降水帯を形成し大雨をもたらすとみられる。熊本豪雨(令和2年)や西日本豪雨(平成30年)の原因にもなったと考えられている。観測には米国や台湾の研究機関が加わり、気象庁にも直ちにデータを送信する。
2日間にわたって沖縄・与那国島など、東シナ海周辺での観測を検討している。