欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は17日、ウクライナを「EU加盟候補国」と認定するよう勧告した。ウクライナを欧州の一員として認めることで、政治的に後押しする狙いがある。加盟候補国の認定には、EU27カ国の合意が必要で、23、24日のEU首脳会議で協議される。
フォンデアライエン欧州委員長は記者会見で、「ウクライナは欧州の価値や基準を守ろうとする決意を示した」と評価した。人権尊重など、民主主義の実現で大きな進展を示したと振り返り、EU入りに向けて経済改革を続けるよう促した。ウクライナは2月にロシアの侵攻を受けた後、EUに加盟申請していた。
欧州委は、ウクライナに隣接するモルドバについても、EU加盟候補国としての認定をするよう求めた。ジョージアについては今回、認定勧告を見送った。
EUからは16日、フランス、ドイツ、イタリア、ルーマニアの4カ国首脳がウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問。ゼレンスキー大統領との会談後、加盟候補国としての認定を支持すると表明した。
EUでは現在、アルバニア、セルビアなど5カ国が加盟候補国となっている。オランダやデンマークは、新たな候補国の認定に難色を示す。EU入りには、司法や行政制度でEU基準を満たす必要がある。