前K―1スーパーバンタム級王者で、プロボクシング東洋太平洋同級15位の武居由樹(25)=大橋=が17日、横浜市の大橋ジムで会見し、8月26日に東京・後楽園ホールで東洋太平洋同級王者のペテ・アポリナル(27)=フィリピン=に挑戦すると発表した。昨年3月のプロボクシングデビュー以来、4戦4勝(4KO)の武居は初のタイトル戦、アポリナルは初防衛戦となる。
プロボクシング転向後、早期KO勝ちを続ける武居がランク最下位から王者に挑戦する。
「自分が思っていたよりも早くタイトルマッチが決まって、本当にうれしい。ずっと何かのベルトがほしかった。絶対にここは取らなきゃいけない。とにかく勝つ」
4月の前戦で日本同級16位だった河村真吾(堺春木)に、得意の右フックで衝撃の2回TKO勝ちしてランク入りした。「今まで通り早いラウンドで倒せたら、それが一番いいけど、そんなに簡単な相手じゃないことは分かっている。今までの格闘技人生すべてを生かして挑む」と決意を示した。
アポリナルはフェザー級から階級を下げて、4月に実力者のジュンリエル・ラモナル(フィリピン)に10回KO勝ちして王座を獲得した難敵。同門のWBA、WBC、IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(29)が、今月7日の3団体王座統一戦で2回TKO勝ちしたWBC王者だったノニト・ドネア(フィリピン)対策として5月に招聘(しょうへい)したスパーリングパートナーの一人だ。
所属ジムの大橋秀行会長(57)は「上手さとパンチの強さがある怖い選手で、非常に危険な賭けだと思う」とアポリナルを警戒した。井上とのスパーリングを少し見たという武居は「尚弥さんがすごすぎて、尚弥さんの印象しかない」と苦笑いしたが、「強い選手。体が分厚くてパワーがあるんだろうなっていうイメージ」と王者の印象を語った。
担当トレーナーで元世界3階級制覇王者の八重樫東氏(39)はプロ5戦目で東洋太平洋王座を獲得した。武居は「勝たないと意味がない。しっかりと勝って、八重樫さんと同じ5戦目で取る」と〝師匠〟に並ぶことを誓った。
アポリナルのプロ戦績は18戦16勝(10KO)2敗。