将棋の藤井聡太棋聖(19)=竜王など5冠=に永瀬拓矢王座(29)が挑む第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第2局は15日、新潟市内で指され、永瀬王座は藤井棋聖に敗れて対戦成績1勝1敗となった。永瀬王座は落胆を隠せず、「ペースを握ったところはあったような気はしますが、形勢に結びついていたかは分からないまま指していました」と終局後の言葉に無念さがにじんだ。
今期は無敗の7連勝と絶好調だった。勝てば初の棋聖奪取への王手となる本局。先手番で角換わりの戦型に誘導すると序盤から事前研究の深さが奏功し、一時は残り時間で最大2時間の大差をつけていた。
だが局面は互角の形勢が続き、中盤で1時間16分の長考も。最終盤の藤井棋聖の△9七銀で敗勢となり、先に持ち時間も使い切った。「次は後手番ですが、精いっぱい準備をして頑張りたい」。互いに認め合う盟友との死闘は続く。