16日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は大幅反落して始まり、前日からの下げ幅が一時700ドルを超え、節目の3万ドルを割り込んだ。3万ドルを下回るのは、昨年1月下旬以来約1年5カ月ぶり。米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利上げが景気後退を招きかねないとの懸念が高まり、売り注文が膨らんだ。
欧州市場も軒並み下落。16日に反発して終えた東京市場の17日の取引にも影響を与えそうだ。
FRBは15日、記録的な物価高を抑えるため、連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の3倍となる0・75%の大幅利上げを決めた。16日にはイングランド銀行(BOE)やスイス国立銀行も利上げを発表。世界各国の中央銀行が積極的な金融引き締めに動く中、FRBが景気を傷つけずに物価を抑える経済のソフトランディング(軟着陸)を実現するのは難しいとの見方が広がった。