巨人・桑田真澄投手チーフコーチ(54)の独占インタビューを前日に引き続きお届けする。後編では選手たちに成長を促すために施す工夫や、コーチの立場から見た原辰徳監督(63)のすごさ、コーチと監督としてのやりとりの一端を明かしてくれた。 (取材構成・片岡将)
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――昨季、原監督の下で15年ぶりに巨人に復帰した。指導者同士の付き合いの中で、すごいと思ったこと、驚かされたことは
「いやもう、チームの雰囲気作りからゲーム中の読みまでたくさんありますよ。たとえばチームが勝つために選手の奮起を促す言葉とか、そのタイミングが鋭い。春季キャンプ後に戸郷と高橋優貴を2軍降格させるときもアドバイスをいただいたんです」
――監督からはどんな言葉が
「全部は言えないんですけど、『時には厳しいことをしないといけないんだ』ということを言われましたね。恐らく監督には、僕にコーチとして経験を積ませる意図もあったと思います。『心を鬼にして、彼らの成長につなげることも大事なんだよ』という話をされました」
――今の戸郷の好調はあのファーム行きがあったからこそともみえる
「去年のチームの左右の勝ち頭ですからね。2人ともキャンプでがんばっていましたが、うまくいかずにもがいている面がありました。厳しい決断でしたが、二人には課題克服の方法を提示しながらここまできました。戸郷はそれでガラッと変わりましたね。優貴は今、ファームで頑張っているところです。これもやっぱり本人たちの頑張りです」