コロナ前に比べて居酒屋は、客数、店数を総合的に計算すると約半分のマーケットになっている。そうした中、久しぶりに私が本気で居酒屋をプロデュースした。それが「こだわりのれん街」だ。昨年末に大井町に実験店となる1号店、5月末に仙川(東京都調布市)に2号店を出した。
将来的にはこの「こだわりのれん街」をワタミの居酒屋のメインブランドにする。「なんとなく」で立ち寄る従来の総合居酒屋は、今後なくなるだろう。目的客をいかに取り込むかだ。
この「こだわりのれん街」は、7つの専門店がひとつの店で楽しめる。まるでデパ地下だ。
「精肉店」「すし店」「焼鳥店」「加賀屋のおでん・鍋」「北海道の自社牧場スイーツ」など7つの専門店(のれん)が、それぞれのカラーで並ぶ。肉は鹿児島の和牛大手、すしは水産商社、焼鳥は大山どり業者、そして名旅館加賀屋と、トップセールスで本物を集めた。私はこの店を「新総合居酒屋」と名付けた。その昔展開していた、和民は総合居酒屋でありながら、ひざつき接客や、冷凍品を使わず手作り料理にこだわるなど、業界初の果敢な挑戦を続け支持された。おかげさまで多くのお客さまに「懐かしい」「昔よく行った」と言っていただく。
今回、その「昭和の和民」の人気メニューを復刻させた「専門店」ものれんのひとつにいれた。ワタミが展開していた「唐変木(とうへんぼく)」のお好み焼きも完全に再現した。やはり祖業であり居酒屋には、こだわっていきたい。