大阪府寝屋川市八幡台の八幡神社で、約450本のアジサイが見頃を迎えている。火災で焼失した本殿の再建に合わせ、地域住民が自宅の庭にある多彩なアジサイを持ち寄り、色がかぶらないように植栽した。愛好家も見学に訪れるといい、関係者は「後世に残していきたい」としている。
同神社は、聖徳太子の最側近として国造りに活躍し、同市の秦(はだ)町や京都市の太秦(うずまさ)などの地名の由来となった秦河勝(はたのかわかつ)が開いたとされる総鎮守。平成24年に本殿が火災で焼けた後、住民らの寄付をもとに2年後に再建された。
アジサイは訪れた人たちの憩いの場となるよう29年から植え始めた。だが、翌年の台風21号で境内の多くの樹木が倒れる被害にあったため、住民が自宅のアジサイを持ち寄って増やしていった。青、白、ピンクなど隣同士で色や種類が重ならないよう植え替えながら、小道もつくり、散策中に休めるよう倒木の切り株も残している。
同神社の責任役員、冨田順治さん(80)は「見学に来た方から、ここにはないアジサイを寄付したいという申し出もある。住民が思いを込めたアジサイの名所として後世に引き継いでいきたい」と話す。花は今月末頃まで楽しめる。