将棋の藤井聡太棋聖(19)=竜王・王位・叡王・王将との5冠=に永瀬拓矢王座(29)が挑戦している「第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第2局は15日朝、新潟市西蒲(にしかん)区の岩室温泉「高島屋」で対局が始まった。
対局室には午前8時39分、まず挑戦者の永瀬王座が黒のスーツ姿で先に入室。藤井棋聖は同45分に淡く緑がかった白系色の羽織に濃い緑の着物という出で立ちで登場。関係者にあいさつをすると、自身の座布団の前にデジタル時計を静かに置いた。午前9時に対局が開始されると、先手番の永瀬王座の初手は▲2六歩。藤井棋聖は△8四歩と応じ、互いに飛車先の歩を付き合った。戦型は角換わりへと進んでいる。
藤井棋聖が3連覇を目指す今シリーズは波乱のスタートとなっている。3日の開幕局は、2度の千日手指し直しという異例の展開の末に永瀬王座が先勝。黒星発進の藤井棋聖はタイトル戦ではまだ連敗がなく、本局に勝てば1勝1敗のタイに持ち込むが、敗れればカド番に追い込まれて、永瀬王座が初の棋聖獲得に王手をかけることになる。五番勝負の流れを決める大注目の戦いとなる。
両者の対決はタイトル戦では今回が初。ここまで通算対戦成績では藤井棋聖が7勝4敗と大きく勝ち越しているものの、直近は永瀬王座が3連勝している。棋聖戦五番勝負は持ち時間各4時間。