法務省は14日、九州各県の刑事施設に入所し、知的障害やその疑いがある受刑者のうち約50人を長崎刑務所(長崎県諫早市)に集め、職業訓練や療育手帳取得など社会復帰の支援事業を一括して始めると発表した。必要なサポートを受けられず犯罪を繰り返す「累犯障害者」の更生に向けたモデル事業で、初の取り組み。年内の開始を目指し、事業の効果を検証した上で全国の他の施設での導入も検討する。
こうした人らへの先駆的支援で知られる諫早市の社会福祉法人「南高愛隣会」と業務委託契約を締結。刑務所に職員が常駐するなどし、ノウハウを活用する。
新たな事業では、受刑者の特性に応じた処遇計画を立て、対人関係の向上など出所後の就労を見据えたスキルを習得させる。療育手帳の取得を促し、福祉的な支援が必要な場合は、専門機関に引き継いで出所後もサポートする。南高愛隣会の専門職員が、受刑者に直接指導することも想定しているという。