大看板の「嵐」と「Jr.グループ」 トップとボトム両面から始まったデジタル展開

SankeiBiz

これまで徹底した「アンチデジタル」の姿勢をとってきたジャニーズ事務所。しかし21世紀以降、その経営戦略に変化が生じている。この連載では、稀代のエンターテインメント企業であるジャニーズが「インターネット」というメディアにどう向き合ってきたのかを中心に、ここ数年の変遷を分析していく。

ジャニーズ事務所本社
ジャニーズ事務所本社

「ARASHI’s Diary -Voyage-」の「#10」のタイトルは「世界中に嵐を」である。この回がUPされた2020年5月前後は、まさしくcovid-19禍によって全世界の国々がほぼ「鎖国」状態に陥っていたタイミングである。しかし、人と物流がストップしても、情報のやりとりは途絶えない。1962年から続く老舗・ジャニーズ事務所は、自身が持っているコンテンツをデジタル・プラットフォームへと移行させる企画を、この状況下にあって着々と進行させていた。

「Voyage」は#10からしばらく、2019年11月3日に嵐がおこなった「各種SNSアカウント開設」「新曲<Turing Up>をシングル曲としてデジタルでリリース」「初のインスタ・ライブ開催」という「デジタル対応」にまつわるエピソードが紹介される。10月にはすでに公式YouTubeチャンネルが開設され、過去音源の一部のストリーミングが始まっていたが、ここから一挙に「嵐」の怒涛のデジタル展開が始まるのである。

ここでもう一度、ジャニーズ事務所の「デジタル対応案件」のトピックスを時系列的にまとめておこう。

2017~18年 段階的にSNSへのアーティスト写真の使用許可

2018年3月 「ジャニーズJr.」公式YouTubeチャンネル開設

2018年10月 SixTONES、Youtubeのアーティスト・プロモ・キャンペーンに抜擢

2018年11月 SixTONES 「ジャニーズJr.チャンネル」にて初MV発表(滝沢秀明、MV初プロデュース)

2019年2月 滝沢秀明「ジャニーズアイランド」代表取締役就任。公演の配信企画発表

2019年3月 ジャニーズJr.公式サイト「ISLAND TV」スタート(Jr.グループのコンサート配信が目玉企画)

(2019年7月9日 ジャニー喜多川氏死去)

2019年10月 嵐、公式YouTubeチャンネル開設

2019年 11月 嵐、新曲をデジタル・リリース

ということで、ジャニーズのデジタル展開は、まだデビュー以前の「Jr.グループ」と大看板の「嵐」によって、つまり、事務所のトップ/ボトムの両面からスタートしているのであった。まだ他のメディア/企業とのつながりが薄いデビュー前のグループと、「休止」を宣言した超有名グループを同時に、あらたなメディアへと解放すること。これはきわめて戦略的な手続きであるだろう。

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