能楽師・野村万作さん(人間国宝)、萬斎さん親子を招いての「第1回足利狂言」が9月、栃木県足利市朝倉町のあしかがフラワーパークプラザ(足利市民プラザ)で開催される。今後、毎年定例で開催されることになり、歴史と文化のまちの新たなイベントとして注目を集めそうだ。
主催は公益財団法人・足利市みどりと文化・スポーツ財団(MBS財団)と同市教育委員会。同財団は昭和43年から、同市内の小中学生を対象に狂言教室を実施し、古典芸能の普及に力を入れている。昨年、旧市民会館閉館を機に実施した野村さんらの狂言が好評だったため、「足利狂言」として慣例化することにした。
9月19日午後2時から開かれる第1回の演目は舟渡聟(ふなわたしむこ)と釣針。チケットは一般5千円、ユース(25歳以下)2千円で、6月12日午前10時から同プラザ窓口で発売。狂言に先立ち、開催当日の午前11時から同プラザで「狂言ワークショップ」を開催し、狂言の楽しみ方などを学ぶ。受講無料で、希望者は6月19日午前10時から同プラザ(0284・72・8511)で受け付ける。
昨年の野村さん親子の狂言も新型コロナウイルス禍にもかかわらず多くのファンが訪れ、3年前に足利薪能に出演した際もチケットが4日間で完売するなど人気が高い。
同財団はこれまで、NHK交響楽団と世界的指揮者・佐渡裕さんの定期公演を実施し、その際も小中学校で出張演奏を企画するなど、地元密着の活動に力を入れている。同財団は「足利狂言を3番目の主要事業として位置づけ、地方都市での一流の芸術文化の浸透を促したい」と話している。(川岸等)