【ワシントン=塩原永久】米労働省が10日発表した5月の消費者物価指数は前年同月に比べて8・6%上がり、約40年ぶりの高さを記録した3月の上昇率8・5%を超えた。燃料費が再び上昇し、食料品など幅広い品目で値上がりした。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレを抑え込むため、金融引き締めを急ぐ可能性がある。
5月の上昇率は1981年12月以来、40年5カ月ぶり。市場予想の8・3%も上回った。
物価を引き上げた最大の要因は燃料費だ。ガソリンが48・7%上昇し、電気も12・0%上がった。
食料品が10・1%と高い伸び率だった。いったんは落ち着きをみせた中古車も16・1%上がったほか、家賃も上昇し、物価が広範な品目で上がっている。
ロシアによるウクライナ侵攻をうけて、燃料や食料品の価格高騰が長期化。市中のガソリン価格は1ガロン=5ドル台目前まで上がっており、家計を直撃している。
FRBは5月に0・5%の大幅利上げを実施し、さらに今後2回続けて大幅利上げする構えだ。インフレが一段と高まる見通しが強まれば、金融引き締めを加速させる公算が大きい。