役所広司「同じ日本人として憧れ」 主演映画「峠 最後のサムライ」を語る

産経ニュース
「侍という『人間の芸術品』は明治以降の日本人にも誇りを持たせてくれた」と話す役所広司(酒巻俊介撮影)
「侍という『人間の芸術品』は明治以降の日本人にも誇りを持たせてくれた」と話す役所広司(酒巻俊介撮影)

動乱の幕末に武装中立を目指した長岡藩家老、河井継之助(つぎのすけ)を描いた大ベストセラー「峠」(司馬遼太郎著)が初めて映画化された。司馬が「人間の芸術品」「類型のない美的人間」とまで評した武士だ。武士道を貫いた結果、新政府軍と戦い、敗走中に没した〝最後のサムライ〟である河井を演じた役所広司(66)は「侍の生き方というものを後世に残したかったんだと思う」と、幕末の英雄に思いをはせた。

役所は台本を初めて手にしたとき、「せりふが多いな」と思ったと笑うが、「ただ、丹精を込めて書かれた名言ばかり。21世紀に生きるわれわれの心に響く言葉だった。侍という人間像は同じ日本人として憧れる。本当に美しい物語だなと思う」。

劇中、河井が川の岸辺に座り、幼なじみの長岡藩士に語りかける場面では、長いせりふが続く。

「この時世の中、日本男子たる者がことごとく薩摩、長州の勝利者におもねり、争って新時代の側につき、侍の道を忘れ、行うべきことを行わなかったら、後(のち)の世はどうなる。(中略)後世の人間に対し、侍とはどういうものか、知らしめるためにもこの戦いは意義がある」

河井を演じる上で「原作や台本を読んで、河井が発する言葉が大事だなと感じた。正確にその言葉を観客に伝えるのが、僕に与えられた仕事だと思った」。

そして、そのせりふに「苦労した」と明かす。「動きのない中で、ただ座ったまま、せりふの中で心の動きを見つけていくのはなかなか難しかった」

一方、「カンカン踊り」や「長岡甚句」を踊る場面にも苦戦したという。「覚えるのに結構時間がかかった。僕は本番までずっと練習していたが、共演の松(たか子)さんはその場ですぐに覚えていた。さすがだ」と振り返る。

映画の見どころについては、「戦争を避けたいと思っている男がどうして戦争を決断することになったのかが、この映画の肝だと思う」。

いちばん印象に残っているせりふを問うと、戦いを回避できなくなったときに河井が発する言葉を挙げた。

「この風が体を吹き通っているようでなければ大事はできん。元気の気、勇気の気、その気が歩いているだけだ。体はどこにもない。体には風が吹き通っておる。一個の気だけが歩いている。俺はそれさ」(水沼啓子)

やくしょ・こうじ 昭和31年生まれ、長崎県諫早(いさはや)市出身。NHK大河ドラマ「徳川家康」の織田信長役で脚光を浴びる。映画「Shall we ダンス?」「眠る男」「うなぎ」などに出演。国内外の主演男優賞を数多く受賞。紫綬褒章受章。

17日から東京・丸の内ピカデリー、大阪・梅田ブルク7などで全国公開。監督・脚本は小泉堯史(たかし)。共演は松のほか香川京子、仲代達矢ら。1時間54分。

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