9日に東京都渋谷区のセルリアンタワー東急ホテルで開かれた元東京都知事で作家、石原慎太郎さん(2月1日死去、享年89)の「お別れの会」では、故人が愛した湘南の海をイメージした祭壇を設置。著書約300冊の表紙を展示したり、愛用品を並べて書斎やアトリエを再現したりと、息子の4兄弟が〝慎太郎ワールド〟を演出した。4兄弟は改めて父への思いを明かした。
慎太郎さんが愛した空間が現れた。ワープロがある机のそばに書籍が積まれ、席を立ったばかりのような角度で黒いイスが置かれた書斎。3年ほど前に次男の石原良純(60)を描いた油絵が飾られたアトリエ…。
「石原慎太郎は皆さんに夢を託されて生きた人間。お別れする時間を作らなければならないのが、夢を託された人間の使命だ」。4兄弟の中でも会場準備の中心となった良純が、偉大な父に思いをはせた。
会場内には芥川賞受賞作「太陽の季節」など著書約300冊の表紙、12点の絵画を展示。弟で俳優の故石原裕次郎さんとのツーショットなど秘蔵写真を、スライドで流した。故人が旅立った約1カ月後、後を追うように3月に死去した妻の典子さんの遺影も飾られた。
「お別れの会」は、政界・文壇や芸能界など・一般の3部制で実施。祭壇は青や白のカーネーションなど5000本の花をあしらい、慎太郎さんが愛した「湘南の海」を表現したという。両側に所有したヨット「コンテッサⅡ世」の帆を飾った。