企業間の支払いに使う「手形」を取り扱う交換所として、明治時代に日本で初めて設置された「大阪手形交換所」(大阪市中央区)が11月にも廃止される見通しとなったことが10日、分かった。140年の歴史に幕を下ろす。全国銀行協会は11月に電子交換所を設立して、手形のデータを送信する仕組みになる。
大阪手形交換所は明治12年、実業家の渋沢栄一らの呼びかけで、大阪銀行協会(大銀協)の前身「銀行苦楽部」が「大坂交換所」として開設した。昭和42年からは大銀協の施設内で決済業務を実行していた。
近年は業務の電子化が進み利用が減少。さらに現金化に時間がかかり、支払いを受ける中小企業の資金繰りを圧迫する懸念もあるとして、政府も現金振り込みや電子手形への移行を呼びかけてきた。全国に100以上残る手形交換所は順次廃止になる見通し。