囲碁の許家元十段就位式「今後も精いっぱい精進」

産経ニュース
大和ハウス杯第60期十段戦就位式で日本棋院の小林覚理事長(左)から允許状を受け取った許家元十段=10日午前、明治記念館(萩原悠久人撮影)
大和ハウス杯第60期十段戦就位式で日本棋院の小林覚理事長(左)から允許状を受け取った許家元十段=10日午前、明治記念館(萩原悠久人撮影)

今春打たれた囲碁タイトル戦「大和ハウス杯 第60期十段戦五番勝負」(産経新聞社主催)を制した許家元(きょかげん)十段(24)の就位式が10日、東京・元赤坂の明治記念館で行われた。

式典では日本棋院と関西棋院から十段就位を認める允許(いんきょ)状が授与されたあと、産経新聞社の飯塚浩彦社長から賞金目録と賞杯が渡された。

飯塚社長は「タイトルは取るより守るほうが難しいとされるなか、難敵の余正麒八段を3連勝で下したのはお見事。国際棋戦での活躍も祈念します」とあいさつ。

日本棋院の小林覚理事長は「台湾出身の棋士はタイトルを多く取っており、日本の囲碁界を引っ張っている。紳士的でみなに好かれ尊敬されるところは許十段も同じだが、囲碁になると剛腕を発揮し、世界一恐ろしい碁を打つ。世界チャンピオンにならなければいけない宿命がある」とユーモアを交え激励。そのあと「(連続5期で名乗る資格を得る)名誉十段が1人もいない。ぜひあと3回防衛していただきたい」と話した。

一方で関西棋院の正岡徹理事長は「台湾勢同士の対局で、(所属する)余八段が挑戦者ということで応援に力が入っていたが、許十段の力がまさった。ロシアによる侵略戦争が起きているが、武力ではなく、マインドスポーツである碁で競い合えば、友達になれる。碁を打つ人が多くなれば、世界も落ち着いてくる」と述べた。

大和ハウスの泉本圭介執行役員は「許十段は(開幕前に芳井敬一社長との対談で)〝挑戦者には勢いがあり、防衛は簡単ではない〟とおっしゃていたが、結果は3連勝。とくに第2局は終始、押されぎみでハラハラしていたが、終盤には勝負手を連発され勝利を勝ち取られた。ますますのご活躍を期待します」とお祝いし、全国25カ所のダイワロイヤルホテルグループで使用できるギフト券を贈呈した。

また、木谷実九段と呉清源九段が「新布石」を研究した場である長野県・地獄谷温泉「後楽館」から宿泊券も贈呈された。

台湾の台北駐日経済文化代表処の謝長廷(しゃちょうてい)代表も祝福に訪れた。「12歳でふるさとを離れ来日し12年の間、寂しさや、さまざまな試練を乗り越えてすばらしい業績を残し囲碁界の頂点に立たれている。個人の才能、日本のみなさまの支援のおかげで、力を発揮された。許十段の活躍は日本と台湾の友好のシンボルです。囲碁界の新しい時代を作り出すことを期待します」と日本語で話したあと、体重が52キロで細身の許十段に「カロリーが高いものを食べてください」と笑わせた。

謝辞に立った許十段は「これまで防衛したことがなく不安な気持ちもあり、親友である余正麒八段との対局はやりづらいのかなと思っていたが、普段よりノビノビ打てたのがよかった。どの対局もきわどい内容で、とくに第2局は苦しい時間が多かったが、最後に逆転できたことで第3局に勢いがついた。防衛でき、うれしいし光栄です」と笑顔を見せた。さらに「最近、国際棋戦で日本勢は調子がいい。自分も後れをとらないよう、精いっぱい精進していきたい」と語った。

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