「音」と「運動」で認知症予防 オトバンクが関西福祉科学大と研究

記者発表会で音声コンテンツ配信を聞きながら運動する男性=9日、東京都中央区(松村信仁撮影)
記者発表会で音声コンテンツ配信を聞きながら運動する男性=9日、東京都中央区(松村信仁撮影)

音声コンテンツ制作配信のオトバンク(東京都文京区)は9日、音声コンテンツ配信を聞きながら運動すると、従来の認知症予防トレーニングと同等の脳血流効果が得られることが、関西福祉科学大学との共同研究で確認されたと発表した。すでに日本早期認知症学会で論文発表されている。

ベルピアノ病院(堺市西区)リハビリテーション室の要介護支援の高齢者55人(平均年齢約75歳)を対象に、エアロバイクでの運動、音声コンテンツをスマートフォンで聞きながらエアロバイクで運動、引き算の問題を解く従来のトレーニング法「計算課題」とエアロバイクの運動の3つのグループに分けて実験を実施。1分間の脈拍数が50~70回程度になるようなエアロバイクの運動量にして、注意力や集中力を司り、老化や認知症の影響を受けやすい脳の前頭葉の脳血流の活性化の度合いを調べた。

ベルピアノ病院での実験の様子=堺市西区(オトバンク、関西福祉科学大学提供)
ベルピアノ病院での実験の様子=堺市西区(オトバンク、関西福祉科学大学提供)

その結果、前頭葉の血中酸素化ヘモグロビンの濃度において、音声コンテンツを聞きながら運動した場合、運動のみの場合と比べて約30%高いことが分かった。また、計算課題と運動との組み合わせと比べてもほぼ同等の濃度の結果が得られた。

3種類のトレーニングによる血中のヘモグロビン濃度(オトバンク、関西福祉科学大学提供)
3種類のトレーニングによる血中のヘモグロビン濃度(オトバンク、関西福祉科学大学提供)

実験にあたった関西福祉科学大学保健医療学部リハビリテーション学科の重森健太教授は同日の記者発表会で、「現在の認知トレーニングでは一般的な計算課題は、問題や回答を覚えてしまうことで、リハビリの効果が薄れるといった課題がある。音声コンテンツ配信を聞きながらの運動は、認知症予防の新たなツールとなる可能性がある」と指摘。そのうえで、「配信を聞きながら、踏み台の足の上げ下げといった軽い運動は、高齢者にとって日常生活に取り入れやすい」と語った。

音声コンテンツ配信サービスの利用イメージ(オトバンク提供)

オトバンクの上田渉会長も「これからも『聞く』文化を通して、様々な社会課題の解決に力を入れたい」と抱負を述べた。

オトバンクは平成16年創業、19年に「オーディオブック・ドット・ジェー・ピー」との名称で音声コンテンツ配信サービスを開始。約500社の出版社などと提携している。音声コンテンツ数は非公開。ユーザー数は約200万人。

 


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