ロシア軍のものとみられる航空機計4機が7日夜、北海道西方の日本海を日本領空に向かって東に直進飛行した。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)して対応したところ、領空手前で方向を変えたという。防衛省が8日公表した航空機の行動概要を見ると、200万都市・札幌市の方向に突進していたようにも見える。この異様な飛行は何なのか。識者に聞いた。
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■札幌方面
「近年、類似の飛行は見られない」
防衛省統合幕僚監部によると、4機は北海道西方から日本領空に向かってきた。空自戦闘機がスクランブル対応したところ、2機は1機ずつ離れた空域を日本海上空で旋回飛行して西方へ戻り、2機は樺太方面へ北進したという。領空侵犯はなかった。
同省では、ロシア軍による挑発行為の可能性もあり、警戒を強めている。
ロシアが2月24日、国際法違反であるウクライナ侵攻を開始したことを受け、日本は欧米諸国と協調して「金融制裁」や「輸出・輸入規制」「最恵国待遇の取り消し」「オリガルヒの資産凍結」などの経済制裁を実施してきた。岸田文雄首相は5月のG7(先進7カ国)首脳会合で、「ロシア産の石油を原則禁輸する方針」も表明した。
これに対し、ロシアは、日本や欧米諸国など48の国・地域を「非友好的な国・地域」に指定。ロシア外務省は今月7日、1998年に締結した日露漁業協定について、「効力を一時停止する」と発表した。