JR東日本は9日、上野駅の1・2番線(京浜東北線大宮方面と山手線内回り)ホームで、ホーム上に流れる駅員のアナウンスなどの音を手話などで可視化する実証実験を15日に始めると発表した。耳の不自由な人が安心して鉄道を利用できる環境を整える。
実験では、JR東日本が富士通、大日本印刷と共同で開発した音を手話や文字などで表示する装置「エキマトペ」を使用。ホーム上で流れる駅員のアナウンスや列車の走行音、ホームドアの開閉音などをマイクで拾い、富士通のスーパーコンピューターに備わった人工知能(AI)で即時に分析し、装置の画面のモニターに手話やアニメーション、文字などで表示する。
また駅員のアナウンスは、大日本印刷が開発した独自のソフトウエアで文章の内容に適した感情豊かな字体(フォント)で表現する。
実証実験は12月14日までの半年間で、期間中、台東区と連携し、区内の手話サークルやボランティア団体の活動も装置を通じて紹介する。
エキマトペを使った実証実験は昨年9月の巣鴨駅(東京都豊島区)に続いて2回目。今回は装置の省スペース化を図った。