昨年3月、名古屋出入国在留管理局の施設に収容中だったスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が死亡したのは、違法な収容を続け必要な医療を提供しなかったためだとして、遺族が国に約1億5600万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が8日、名古屋地裁(佐野信裁判長)で開かれた。妹のワヨミさん(29)は「日本政府は謝って、責任を認めてほしい」と訴えた。
ウィシュマさんは平成29年に「留学」の在留資格で来日。その後不法残留となり令和2年に逮捕された後、名古屋入管に収容された。3年1月以降、体調不良を訴えたが、一時的に収容を解く仮放免は認められなかった。
出入国在留管理庁は、職員の危機意識が乏しかったなどとする調査報告書を公表。死因は特定できないとしている。