野球がぜんぶ教えてくれた 田尾安志

トライを繰り返して長所を見つける

産経ニュース
今季1軍で投手として登板した中日の根尾。二刀流に挑戦している=5月29日、京セラドーム大阪(岩川晋也撮影)
今季1軍で投手として登板した中日の根尾。二刀流に挑戦している=5月29日、京セラドーム大阪(岩川晋也撮影)

中日の根尾昂(あきら)外野手が投手として1軍で登板したことが話題になった。プロ野球なのだからニュースになるのはいいこと。僕も中日に入団したとき、寮長の岩本信一(のぶかず)さんに「とにかく自分の名前と顔を売れ」と言われた。名前が出るのは大事なことだ。

米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平が二刀流に挑戦し始めたころは「(打者か投手か)どちらかにしないといけない」という意見が多かった。でも今はメジャーでも堂々と二刀流で活躍している。根尾も今から挑戦するのもいいかもしれない。最初から否定してしまうと可能性を狭めることになる。周囲がそれを認めてくれるのであれば、何の問題もない。僕も大学までは投手だった。3年の秋に肩を痛めて諦めたけど、それがなかったら、もっと挑戦したかった。

孫が小さいころ水泳をやりたいといって始めたが、すぐに「面白くない。やめたい」と言った。母親は「あなたがやりたいと言ったのだから続けなさい」と返したようだが、父親である長男は「やめてもいい」と伝えたという。やってみて自分に向いていなかったから、次を探すのは悪いことではないと僕も思う。トライを繰り返していいものを見つけていくことが必要だ。

周囲が寛容な目を持つことも大切で、根尾に対しては「打者で結果が出ないから投手をやってみたのか」と否定的な見方をしないでほしい。駄目だったら自然と淘汰(とうた)されていく厳しい世界。チャンスを与えながら、よかったら使っていけばいい。

いろんな人が指導に来るけれど、その中にも間違いはある。取捨選択がしっかりできるかが、この世界では大きい。僕は(人の意見と)合わなかったら、本当に取り入れなかった。その分ぶつかって、急に試合から外されることも何回も経験した。後々に振り返って、その人たちが言っていたことが理解できるようになるときは来る。偉大な成績を残している人の話を聞くと「言っていることは正しい」と思っても「今の自分には向いていない」ということはよくある。

根尾はプロで3年間やって結果が出ていない。自分を疑い始めている時期じゃないだろうか。アマチュア時代の成績は度外視し、ゼロからのスタートという気持ちでやってほしい。(野球評論家)

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