平成11年に「被害者対策室」として発足。改称を経て現在は室長以下12人体制で、犯罪に巻き込まれ傷付いた人々がその回復や軽減により、地域社会で再び平穏な生活を営むことができるよう取り組んでいる。
犯罪の被害者やその家族は、事件、事故による直接的な被害だけでなく、精神的ショックなどさまざまな問題に苦しめられる。被害者支援室では、専属の被害者カウンセラーを配置し、心のケアに当たっているほか、県と神奈川被害者支援センターの3者で「かながわ犯罪被害者サポートステーション」を運営し、法律相談などの各種支援を行っている。また、住宅が犯行現場になった場合のハウスクリーニング費や、性犯罪に遭った被害者が回復に必要な諸費用なども公費を使って経済的に支援する。
28年、相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷された事件では、発生当日に津久井署に被害者支援本部を設置。県下40署から特別支援要員を招集して支援体制を構築した。被害者などには、支援制度の説明や自宅などへの送迎、通院時の付き添い、さらに検察庁や裁判所と連携を図り、公判傍聴時の付き添いを行った。
支援の対象は、殺人罪、強制性交罪、交通事故事件の被害者など幅広い。ある性犯罪被害者の母親からは「心が救われました」と感謝の言葉が寄せられた。
竹内洋一同室長は「被害者支援は、県民の理解と協力が不可欠だ」と指摘したうえで「引き続き、自治体や関係機関などと連携し、きめ細かな被害者支援活動を推進していきたい」と決意を新たにした。