千夜一夜

エジプト方言

産経ニュース

「あっ、君はエジプトから来たんだね?」

シリアやイラクに出張し、少々勉強して覚えた片言のアラビア語を口にしたとき、小ばかにしたような笑いとともにこう言われたことがある。アラビア語の使用地域は広く、方言も多岐にわたる。単語一つでエジプトに駐在していることが分かってしまうようだ。

エジプト方言を話すとなぜ笑われるのか。首都カイロに長く住んでいる邦人の知り合いは、「街中はごみや犬猫の糞(ふん)だらけで、雑多な環境の下で大勢がひしめくように暮らしている印象があるからではないか」と話してくれた。

支局のエジプト人職員の意見は違う。「エジプトは大国で、国民は陽気で人付き合いがいい。だから歓迎しているのだ。決してばかにしているのではない」と怒りを込めて力説した。

中東には紀元前にさかのぼる長い歴史がある。みな「自分の国が一番だ」という誇りを持っていることが「笑い」の裏側にあるのかもしれない。

一言でアラブといっても、抱える悩みは国の情勢や人々の暮らし次第で全く異なる。限られた期間の出張では、どれだけ本音を聞き出せるかで記事の深みが違ってくる。取材をスムーズに進めるきっかけにもなるから、これからもくじけずにエジプト方言を学ぼうと思う。(佐藤貴生)

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