神戸市内で暴力団トップの自宅が襲撃される事件が相次いだのを受け、兵庫県警が警戒を強めている。今後、特定抗争指定暴力団山口組の分裂をめぐる抗争が激化する可能性もあり、暴力団情勢を注視するとともに市民の安全を守るため、パトカーや白バイによる巡回を強化している。
7日午後2時半ごろ、神戸市北区鈴蘭台北町の市立小部小学校では、児童の下校時間に合わせて、制服姿の警察官が校門前や通学路途中に立ち「気を付けて、まっすぐ帰ってね」などと声をかけ児童を見守った。
同区では5日、特定抗争指定暴力団神戸山口組の井上邦雄組長(73)の自宅に銃弾が撃ち込まれた。県警は、拳銃を持って出頭した男(49)を銃刀法違反容疑で逮捕したが、児童の母親(37)は「子供を外で遊ばせるのが怖い。暴力団の事件が続くと学校に行かせるのも怖くなる」と話していた。
6日夜には、同市長田区の指定暴力団絆会の金禎紀(きんよしのり)(通称・織田絆誠(よしのり))会長(55)の自宅に、軽乗用車が突っ込んだ。県警は建造物損壊容疑で大阪市生野区の男(38)を逮捕。詳しい経緯を調べている。
長田区でも7日、事件現場近くの市立小学校で、児童が教員に付き添われ集団下校した。今後も登下校時を中心に教員や警察官が見守り活動をするという。県警の担当者は「不審なことがあればすぐに110番をしてほしい」と呼びかけている。