最低賃金「全国千円以上」 中小から懸念の声

産経ニュース
最低賃金の引き上げは企業の人件費に重荷となる=5月9日、JR大阪駅前(渡辺大樹撮影)
最低賃金の引き上げは企業の人件費に重荷となる=5月9日、JR大阪駅前(渡辺大樹撮影)

7日閣議決定された「骨太の方針」には、最低賃金に関し早期に全国平均で時給千円以上を目指す方針が改めて盛り込まれた。資源高や円安で物価が高騰する中、賃上げの環境を整えなければ、景気や消費は改善しないとの危機感が背景にある。だが人件費増加などにつながることに中小・零細企業の懸念は大きい。

「物価が極端に上昇し、労働者が生活費を切り詰めるのにも限界がある。最低賃金は千円でも十分とはいえないが引き上げは歓迎できる」

連合大阪の黒田悦治副事務局長はこう語った。大阪府の最低賃金は昨年10月に992円となり千円に迫るが、全国的な水準の底上げが図られることに期待しているという。

一方で、中小企業などからは厳しい意見が聞かれた。「お菓子のデパートよしや」を展開する吉寿(よし)屋(大阪府摂津市)の神吉(かみよし)一寿社長は政府目標の狙いや趣旨は理解できるとしながらも、「大手企業と違い、資本力が乏しい中小は最低賃金を引き上げたくてもできないのが現実だ」と強調。要請に応じた企業に対し、税制優遇や補助金などの下支えが必要ではないかとの考えを示した。

最低賃金引き上げの経営への影響は、アルバイトなど非正規雇用が多い企業ほど大きい。同社は全従業員の約7割が非正規だといい、神吉氏は「職種にもよるが、人手を確保するためすでに時給を100円単位で上げざるをえなくなっている」と明かす。

金属加工会社、タカヨシジャパン(同府八尾市)の高島小百合社長は「人材を生かすことが会社の実力に直結するので、人件費には相応のコストをかけたい」とするが、原材料価格などが高騰する中、人件費の上昇分を製品価格に転嫁することは容易ではないとの認識を示す。

「世界情勢をみれば政府方針に異論はないが、物価高と景気悪化が重なるスタグフレーションの解消が先だ」と話すのは資材メーカー、国元商会(大阪市)の関係者。喫茶チェーン「英國屋」を経営する三和実業(同)の関係者は「大阪や東京など都市部の最低賃金が上がらないと平均値は上がらない。地域間格差が生じ、地方から労働力が流出しないか」と不安視する。

帝国データバンク大阪支社の昌木裕司情報部長は「仕入れ価格の高騰に加えて人件費高騰となれば、売り上げを伸ばしても利益が取れない企業が続出する恐れがある。新型コロナウイルス禍が落ち着いても、中小・零細企業の経営者の苦悩は続きそうだ」と語る。(井上浩平、田村慶子)

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