リニア中央新幹線の整備計画を巡り、静岡県の川勝平太知事は6日、南アルプスを通るルートが選ばれた過程が不透明だとして、経緯の検証を求める要請文を斉藤鉄夫国土交通相に提出した。県は南アルプスのトンネル工事で大井川の水量が減少するなど環境に悪影響を与えるとして着工に反対している。
県によると、4月に開いた県の専門部会でJR東海が提示した資料を分析。その結果、南アルプスの地質調査により工事現場の崩壊や大量湧水の発生の危険性が確認されていたのに、計画が認可されたことが判明した。
要請書は「南アルプスは回避すべき条件が指摘されていたのに、なぜ回避されなかったのか。明確にして公表するようJR東海に厳しく指導をお願いする」とした。